アメリカ合衆国（米国）は、北アメリカ大陸の中央部に位置する広大な国で、その地理的多様性が国の特徴を形作っています。
ここではアメリカの地図を使い、アメリカについてその特徴を調べてみましょう。

地理的な概要

アメリカは、50の州と首都ワシントンD.C.（コロンビア特別区）から成る連邦共和国です。本土の48州に加え、北西部のアラスカ州、太平洋上のハワイ州が含まれます。ロシア、カナダに次ぐ世界第3位（または4位）の広大な面積を持ち、東は大西洋、西は太平洋、南はメキシコ湾に面しています。

国土は、その地形から大きくいくつかの地域に分けられます。

東海岸（大西洋岸）

比較的緩やかなアパラチア山脈が走り、沿岸部には平野が広がります。ニューヨーク、ワシントンD.C.、ボストンなど、歴史が古く人口が集中する主要都市が多い地域です。

中央平原（グレートプレーンズ）

アパラチア山脈とロッキー山脈の間には、ミシシッピ川流域を中心とする広大な平野や草原が広がっています。「グレートプレーンズ」と呼ばれるこの地域は、世界有数の農業地帯（穀倉地帯）です。

西部（山岳地帯・太平洋岸）

高く険しいロッキー山脈が南北に連なります。山脈と太平洋岸の間には、グランドキャニオンのような峡谷や、グレートベースン（大盆地）と呼ばれる海につながる川がない乾燥した砂漠・半砂漠地帯が広がります。太平洋岸には、カリフォルニア州のロサンゼルスやサンフランシスコ、ワシントン州のシアトルなどの大都市があります。

アラスカ州

本土から離れた北米大陸の北西端に位置します。北米大陸最高峰のデナリ（旧マッキンリー山）を含むアラスカ山脈がそびえ、広大なツンドラ（凍土帯）や氷河が広がっています。

ハワイ州

太平洋の真ん中に位置する、火山活動によってできた島々（ハワイ諸島）から成ります。

国土が広大で地形も複雑なため、気候は非常に多様です。

東部・南部

湿潤な気候（北部は冷涼、フロリダなど南部は温暖）。

中央部

内陸性気候で、夏と冬の寒暖差が激しい。西経100度線を境に、東側は湿潤、西側は乾燥（ステップ気候）する傾向があります。

西部

カリフォルニア沿岸部は地中海性気候（夏は乾燥し温暖）、北西部（オレゴン州・ワシントン州）は比較的温暖で雨が多い西岸海洋性気候、内陸部は砂漠気候や高山気候が広がります。

アラスカ州

大部分が亜寒帯（冷帯）や寒帯（ツンドラ気候）です。

ハワイ州

年間を通じて温暖な熱帯気候です。

ミシシッピ川

北米で最も長く、流域面積も最大の河川。中央平原を縦断し、メキシコ湾に注ぎます。アメリカの農業や水運にとって非常に重要です。

五大湖（スペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖、エリー湖、オンタリオ湖）

カナダとの国境に位置する世界最大級の淡水湖群。鉄鉱石の輸送ルートとして、中西部の工業発展を支えました。

著しい人口の偏在

国土が広大である一方、人口は特定の地域に著しく集中しています。多くの州が広大な面積を持つにもかかわらず、人口が非常に少ない（100万人未満の）州も存在します。

沿岸部への集中

最も人口が多いトップ4の州は、カリフォルニア州（約3,943万人）、テキサス州（約3,129万人）、フロリダ州（約2,337万人）、ニューヨーク州（約1,987万人）です。 これら「ビッグ4」の州はすべて海に面しており、歴史的に交易や移民の窓口となってきた大都市（ロサンゼルス、ヒューストン、マイアミ、ニューヨーク市など）を擁しています。

内陸部の広大な低密度地域

地図上で色が薄い地域、すなわち人口が少ない州は、ロッキー山脈周辺の山岳地帯や、中央平原（グレートプレーンズ）に集中しています。